研修事例

研修実施機関

実施機関団体名 焼津水産加工業協同組合
住所 〒425-0026 静岡県焼津市焼津5丁目14番18号
電話番号 054-628-3108 FAX番号 054-629-4414
実施機関職員数 8名 受講生人数 15名

要 約

1.動機と目的

 我が国で生産されている魚介類の半数以上は、干物や蒲鉾などの練り物、また缶詰など水産加工品の原料として使用されている。そのため、各地の漁港の近辺には、多くの水産加工工場が建ち並んでいる。静岡県屈指の漁港である焼津港もその例に漏れない。
 当組合は焼津市内のなまり節や塩サバ、切り身などの加工卸売業者により、昭和27年に組織化された。以来、原漁や副資材の共同購入、加工製品の共同購入、転貸、指導・教育事業を行い、現在の組合員は55社に上っている。
 近年、水産加工品はもともと不定形・量目不均一なものでありながらも、大型販量店を中心とした流通経路に組み込まれることからのサイズや量目の均一化、価格の指値化を余儀なくされ、未利用資源の増大や加工工数の増大、経営コストのアップに繋がっている。また、漁獲高や漁業従事者の減少からの資源減少の問題も大きく、これらが重なり合うことで既存業者の転廃業が増大している。
 これを端緒に、漁港で揚がったものが、地元に留まらずに大都市圏に流れ、そのまま量販店経路で回流することとなり、それを伴う地元での対面販売拠点の喪失が、地元消費にも大きな影響を及ぼしている。 このため、複数魚種の原魚目利きや加工、対面販売ノウハウまでを兼ね備えた拠点づくり、言い換えればこれを実践する人材作りが急務である。このため加工側を意識した漁業者や原魚目利きに長け、対面販売能力を有する加工業者(事業後継者ねらい)を、県内外を問わず募集し、育成することを目標とする。
 静岡県は500kmの海岸線を有し、特定第3種漁港の焼津港を含む50カ所の漁港がある水産県である。その一大拠点である焼津港に位置する当組合としてはこの問題を最重視するのは当然であることから、今回の研修を計画した。

2.座学研修内容

 既存の水産加工並びに漁業従事者、さらには新規参入を目指す企業や個人のなかから、原魚の目利き、多魚種の加工、対面販売までを手がけられる人材を輩出するため、水公設試験研究機関の担当者を中心に講師を選定し、36時間の座学研修を行った。
 平成21年8月21日に「研修の意義、ねらい」「水産業の傾向と課題」をテーマにスタートしたのを皮切りに、全11回・36時間の講義を開催。塩漬け食品などを製造する塩蔵品や練り物、鰹節などの節物、佃煮、缶詰といった水産加工食品のそれぞれ基礎知識などはもちろんのこと、食品衛生法や中小企業が関連するさまざまな法規、販売するためのマーケティングや、インターネット時代に即したITによる販売戦略、食品工場での生産管理など、基本から時代に即したものまで、さまざまな内容で行われた。最後となる2月にはスーパーマーケットトレードショーの見学なども盛り込まれた。
 講師の顔ぶれも内容に合わせて実に様々なものとなり、焼津市や静岡県内だけでなく、全国の水産加工業組合、類する団体・企業から招致。当組合の管轄だけでなく、全国各地の加工品生産、販売の動向などの情報提供がなされた。
 座学研修終了後も、フォローアップやアフター研修などを随時継続して行っている。

3.実地研修内容

座学講習と平行して、基礎の実技を身につける実地研修が全7回・42時間行われた。
 加工品を製作するだけでなく、すべての水産加工編は原魚の収穫から製作過程が始まる。その観点から9月11日の第1回、そして10月の第2回は、静岡県などが所有する練習船に乗船して漁場へ出向き、漁場での業務や定置網漁についてなど、実践的な研修が実施された。
 第3回以降は静岡県水産技術研究所をメイン会場に、各水産加工品の加工に関する研修が行われた。加工技術、そして対面販売能力を併せ持った人材育成研修ということで、静岡県水産技術研究所、静岡県水産加工業組合連合会から毎回講師が派遣され、毎回各3時間をかけての講義、実習となった。
 また、11月には原魚を確保するための競りや、冷凍・冷蔵施設の実習として、焼津漁協市場での研修を行い、さらに7回目となる2月には座学研修でも紹介したスーパーマーケットトレードショーの見学と併せて、日本最大の市場である築地市場の現場視察も組み込まれた。
 これら研修終了後は、当組合などが中心になり、販売実習や漁業実習のアフター研修、首都圏や関西圏の中央卸売市場や量販店バイヤーとの懇談の場を設定し、市場動向の把握やネットワーク作りに活発に取り組めるようにフォローアップも徹底している。

4.成果(今後考えられる成果)

 本事業では、水産加工業の実情や、漁業・水産加工業に関わる各種施策等の内容・活用法が習得できる。具体的には基本となる素材の仕入れから販売、新たに得た知識で扱う魚種の多様化など、既存の業者であれば取扱商品の増大や業態変化のための基本的な知識、技術を得ることができる。新規参入を目指す企業、個人ならば、はじめから豊富な知識・技術を活かして開業することが可能だ。さらに、研修時から終了後も、首都圏の市場などとコミュニケーションの場を積極的に設けることで、水産加工業・漁業のみならず、関連が薄い分野とのネットワーク確立のチャンスを確保できよう。
 また、水産加工業と漁業のコラボレーション研修にて得た両分野の知識を活かし、5名程度を水産加工業者への就業、受講した5社程度が取扱商品を増やすなど多様化した対面小売り販売業態への進出。この点を当組合側の成果として考えていきたい。

研修実績(過去2年度間の研修実績)

研修名称 対象者 実施年月日 受講生数
組合員全体例会
(業界動向研修)
全組合員55社
全組合員55社
H20.3.25
H21.3.24
25名
26名
労働時間改善セミナー 全組合員41社
全組合員41社
全組合員41社
H20.11.24
H20.11.19
H21.2.21
19名
28名
26名
業種部会
(焼津生利節組合販売展開研修)
業種部会員25社
業種部会員25社
業種部会員25社
H20.3.5
H20.6.4
H21.3.11
14名
12名
11名
業種部会
(潮会販売展開研修)
業種部会員11社
業種部会員11社
H20.6.27
H21.1.30
9名
9名
青年部会
(販売展開研修)
青年部会員9社
青年部会員9社
青年部会員9社
H20.3.7
H20.10.10
H21.3.2
8名
8名
8名
合計回数 13回 商品管理 延べ受講生数 203名