研修事例

研修実施機関

実施機関団体名 滋賀県中小企業団体中央会
住所 〒520-0806 大津市打出浜2番1号 コラボしが21 五階
電話番号 077-511-1430 FAX番号 077-525-5537
受講生人数 40名(中小企業者、農業者、行政、学生等)

要 約

●テーマ

地場農産品を有効活用した高付加価値商品の開発及び農商工連携人材の育成
農商工連携の現状や課題を把握し、市場のニーズに適合した農産加工品の開発等、ビジネスにつながるプランの策定や実行ができる人材の育成を目指す。

1.動機と目的

 滋賀県では、平成20年7月に施行された農商工等連携促進法の認定が8件(平成22年3月現在/近畿2府5県54件)で、そのうち、滋賀県中央会が支援した案件は半数の4件である。
 さらなる農商工連携促進のためには、高付加価値農産加工品の開発、ブランド化といったマーケットインの考え方を研修し、売れる商品作りができる人材を育成することが重要である。
 そこで、本研修では、地場の農林水産物を活用し、売れる商品を開発したい中小企業者と高付加価値を付けた農産加工品等を提供したい農業者を対象として、今後、市場化が期待される農商工連携の現状や課題を把握し、研修を通して実際にビジネスにつながるプランの策定や商品開発、販売ができる人材の育成を目的とする。
 本研修の実施により、受講生同士の交流を促進することで、目的を同じくする人的ネットワークの構築につなげ、農商工連携事業創出へのパートナーを見つけ出すためのマッチングの場としたい。

2.研修内容

 本会では、7月8日~10月28日の約4ヵ月間、月平均2回、計55.5時間にわたり研修を行う。カリキュラムは、全国中央会が作成した基本テキストをベースに、平成21年度に本会が支援した農商工等連携認定企業の先進事例4案件を追加テキストとして作成する。高付加価値商品の開発及び農商工連携を推進できる人材を育成するため、講義はマーケティングに重点を置くほか、ロールプレイング研修では具体的な事業・資金計画の作成、実地研修では県内外の農商工等連携認定企業5件の視察を取り入れるなど、実践に繋がる研修内容としている。そのため、認定支援も可能なコンサルタントを中心とした講師陣が脇を固めている。
■講義研修
 マーケット構造の分析、市場のニーズ・市場規模の策定、競合する類似商品との相違点・優位性の検討等、マーケティングに重点を置く時間配分とした。また、ロールプレイング研修では、より具体的な事業計画・資金計画を作成し、最後にプレゼンテーションを行う。理論だけでなく、研修終了後に受講生が具体的な一歩を踏み出せる内容とした。
■実地研修
 県内外5つの農商工等連携認定企業にて視察研修を行う。地場農産品を活用した農商工連携の先進事例を掘り下げて研究することで、加工技術、販売ノウハウ等を学ぶとともに、特産品開発、販路開拓のあり方について習得するものとする。

3.成果(今後考えられる成果目標)

 本研修では、地場農産物を活用した高付加価値農産品の開発、加工技術、栽培ノウハウ等が総合的に習得できる。また、農商工連携、地域資源活用、新連携等の国の施策及びしが新事業応援ファンド等の県の施策の知識並びに活用支援が得られる。さらに、農商工連携、地域資源活用等を積極的に推進・展開するために、今後必要となってくる地域における優れた農産品の生産者や県内の大学、金融機関、行政等、外部のネットワークが構築でき、新たなマッチングの機会も得られることで、高付加価値な農産加工品の開発・販売に役立てることが可能となる。研修終了後には、受講生のうち、新商品開発に取り組む人材を10名育成し、即効性のある研修にしたいと考えている。

4.研修視察より(研修の内容・様子、受講生や研修実施機関の声など)

 9月3日、最終(5回目)の実地研修(受講生18名)は、農商工等連携認定企業である南あわじ市の「株式会社うずのくに南あわじ」の協力のもと、同社が運営する大鳴門橋記念館「うずの丘」、道の駅「うずしお」にて研修を行った。
 「移動型低木鉢植果樹及び野菜を使った体験農園プログラム、加工品・レストランメニューの開発・販売」というテーマで、まずは、鉢植えされたブルーベリーやイチヂクの収穫・試食を体験した。これは、舗装された足場の良い敷地内に低木のブルーベリーやイチヂクの鉢植えをゆったり配置し、お子様からお年寄り、ベビーカーや車いすの方々まで収穫体験を楽しめるという観光農園である。鉢植えの果樹は、近隣農家で育成され、農商工等連携の先進事例となっている。
 収穫体験後、1031ビジネス・コンサルティング代表 石本氏の進行で、同社代表取締役 飛田氏より会社概要並びに農商工連携事業概要、企画事業部長 森本氏よりプレオープン中の収穫体験の特徴や状況、今後の課題等について講義がなされた。
 その後の質疑応答では、受講生それぞれの属性により、「収穫体験のお客様の反応」、「農商工等連携認定時の詳細」、「農家との契約・連携」について等、活発な意見交換が行われ、より理解を深める場となった。
 最後に、石本氏が同社の事業の成功要因、法認定取得のポイントとして、①総合的な事業計画、②強みである優れた環境(鳴門大橋)を中心とした計画、③安心・安全の視点、④強固な連携、⑤今後の販促等の計画性を挙げるとともに、楽しんで取り組む姿勢、人間力、人とのつながり等、ソフト面での充実が最大の成功要因だと締めくくった。この総括により、研修全体に一層まとまりが生まれ、深い理解を得られたとともに、研修が充実したものとなったと思われる。
 修了後、受講生からは、『連携の形がわかりやすく、頭に入りやすい事例であった。』、『最後の認定ポイントのまとめが良かった。』、『単体で収益をあげるのではなく、複合的に考えることも必要なのだと思った。』、『実際の現場見学、社員の方の生の説明を受け、認定のポイント、今後の課題が良く理解できた。』との声が寄せられると共に、『もう少し、失敗体験が聞きたかった。』という要望も寄せられた。