研修事例

研修実施機関

実施機関団体名 日本セールスレップ協会有限責任事業組合
住所 東京都北区赤羽1-52-12
電話番号 03-3598-6898 FAX番号 03-3598-6898
受講生人数 募集予定 4カ所合計123名(※農林漁業者110名、支援機関12名、行政1名)

要 約

●テーマ

農業、食品加工業、セールスレップの三位一体農商工連携促進のための実践研修

1.動機と目的

 農業、食品加工業、セールスレップが三位一体となって、新たな商品開発と販売体制を構築するよう、計画書の作成から実務の支援までを行うことのできる専門人材を育成。農商工連携の趣旨と制度を理解し、受講生による成功事例を創出する。
 研修では、支援を必要としている食品・食材関連中小企業と販路開拓の専門家セールスレップ、及び当協会が販路開拓支援事業で蓄積してきた課題解決のノウハウと、既に農商工連携に取り組むセールスレップのノウハウを有機的に接合する。農業と食品加工業とセールスレップが三位一体となって、これまで培ってきた「農商工連携の候補企業となる中小事業者」を包含し、農商工連携事業をより多く創出することを目指す。そして、必要な知識と体験を修得し、事業計画を作成して推進できるような人材を輩出する。

2.研修内容

 東京、大阪、札幌、沖縄の4カ所の会場それぞれで研修を実施している。研修は、共通テキストをベースに農商工連携における事業計画作成から、認定申請及び実践に重点を置いた追加テキストで行われ、講義は3回に分けて開催される。9月上旬、9月下旬、11月上旬に2日間ずつ開催し、研修時間は合計36時間(うち講義研修27時間、ロールプレイング研修9時間)である。
■講義研修(※講義研修の概要、ポイント等)
 農商工連携事業の知識と事業展開のノウハウを習得するために、講義とロールプレイングやワークショップを組み合わせたカリキュラムとなっている。具体的には、(1)農商工連携事業概要の把握、基本的要件、計画期間、申請可能な農林漁業者・中小企業者の条件、認定のメリットと成功のポイント、(2)計画推進のための戦略シナリオと相談依頼表の作成、推進スケジュールの設定、組織運営の留意点、(3)認定申請に向けての取組みと申請書作成などに関する内容で構成されている。2日間×3回で行われる講義研修それぞれに3時間ずつのロールプレイングやグループワークが組み込まれている点に特徴がある。
■実地研修(※講義研修の概要、ポイント等)
 実地研修は2回に分けて行うカリキュラムで、研修時間は合計で6時間となっている。内容は、1回目は農業実務研修や視察で生産サイドの運営状況の理解を進め、2回目は商店街での農林水産加工生産物実態調査(ヒアリング)で消費サイドの理解を深める。実地研修も講義研修と同様に4カ所の研修場所で別個に実施される。

3.成果(今後考えられる成果目標)

 これまで取組みを行ってきた中小事業者、セールスレップ、公的支援機関に提案と協力を呼びかけることで、新たな農商工連携事業の創出が見込まれる。今後、新たに取り組む関連事業者や公的支援機関にもセールスレップを活用した農商工連携事業の提案を積極的に行うことで、新規事業が創出できると考えている。東京、大阪、札幌、沖縄の4カ所の会場を合わせた研修受講者123名の中から、研修終了後に専門人材として農商工連携事業計画の作成と認定申請に取り組むことのできる人材50名を輩出する。

4.研修視察より(研修の内容・様子、受講生や研修実施機関の声など)

 全国4カ所ある研修会場のうち札幌会場の実地研修は、小樽市の「洋食堂なつ屋」において行われた。研修生は7名(うち中小企業経営者・従業者6名、行政1名)。農商工連携事業者を訪問し、レクチャーと現地視察によって連携事業の運営状況を理解するという実地研修1回目のカリキュラムに沿って実施されている。実地研修先である「洋食堂なつ屋」は、「道産こだわりトマト(品種名:あいこ)で作る新ケチャップタイプソースの製造・販売」で平成20年度に第3回の農商工等連携事業計画として認定された。小樽市の隣町である余市の農家と連携して、糖度の高いミニトマト“あいこ”を使った「なつのケチャップ」を製造・販売している。
 農商工等連携事業は一見、簡単に成功しているように見えるが、なつ屋の経営者による講義では、農商工連携事業は課題が多く、さまざまな問題があることが指摘された。具体的には、(1)申請手続きが初心者にとっては容易でないこと、(2)消費者に商品をわかりやすく理解してもらうといったマーケティング手法の高度化が必要であることが、当社を含め農商工連携事業の大きな課題ということであった。また、受講生にとっても、農商工連携者の実体験に基づいた熱心な談話に得るものは多かったようである。特段、農商工連携の場合は商品開発に注力しがちであるが、その後の付加価値をつけて販売するために、いかにうまくPRするかというマーケティングの重要性を改めて指摘されたことに、多くの受講生が頷いていたのが印象的であった。
 経営者のレクチャーの後は、連携先のトマトを使った人気メニューも出され、食事をとりながらの和やかな意見交換が行われた。地域活性化に繋がる農商工連携事業の展開が必要だといった観点から、商工会議所やJAなどの産業関連機関の協力体制をつくっていくことの重要性などが受講生から提起されていた。また、北海道ならではの未利用資源(市場価値の低い魚など)を軸に水産加工業、漁師との連携事業やトマトと魚介を使った鍋メニューの開発、トマトのデザート活用の提案など、研修時間いっぱいまで自由闊達な意見が交わされた。