研修事例

研修実施機関

実施機関団体名 株式会社福岡ソフトウェアセンター
住所 〒820-0066 福岡県飯塚市幸袋526-1
電話番号 0948-21-1281 FAX番号 0948-21-0173
受講生人数 34名(中小企業経営者・従業員:27名、農業者:3名、農林漁中関係支援機関:4名)

要 約

●テーマ

農商工連携コンサルタントステップアップセミナーⅡ
生産分野におけるITの利活用を通してトータルコーディネーターとして活躍出来る人材の育成研修

1.動機と目的

 「農業の産業化には、ITの導入が欠かせない」をキーワードに研修を行う。本プロジェクトにおいては、平成22年度IT経営力大賞を受賞した先進事例企業である熊本県菊池市の(有)コッコファームにおけるIT導入をモデルケースとして、ディスカッションを通じ、農業におけるIT導入の方法についてケーススタディを実施することによって、農業分野に多くのIT関係者の参入を促進する環境を構築する。
 こうした中から、生産管理、商品開発から販路開拓に至るまで一貫して、ITを活用したトータルコーディネートを提供出来る人材等を育成し、地域で活躍できる人材を輩出することで、農業における経営力向上を図るものである。

2.研修内容

 平成22年9月4日から11月20日の約3ヵ月月間にて講義研修24時間、ロールプレイング研修12時間、実地研修14時間の計50時間にわたる研修となっている。
 講義は全国中央会による共通テキストをベースに行い、農林水産資源の理解を深めるために流通やeビジネス、マーケティング戦略のオリジナルテキストを作成してロールプレイングに厚みを持たせることで、より実践的に農林水産業と商工業の有機的な連携を構築する能力を養うことを目的としている。
 全体を通してコーディネータはITコーディネーターが務め、農商工連携に実績のあるコンサルティングファームやモデルケース企業である(有)コッコファームを課題として意見交換や質疑応答を行う極めて実務的な形式となっている。
■講義研修(※講義研修の概要、ポイント等)
 講義は週末(土曜日、4.5時間)に行い、合計36時間(8日間)実施した。
 次回に行う研修分のケーススタディテキストを都度渡し、各研修参加者が事前に自らの意見をまとめ発表し討議するスタイルを取っている。ケーススタディ、グループ討議によるロールプレイングに重点を置き、農業経営全般から生産計画~栽培・収穫~出荷、労務管理といった幅広いテーマを学ぶカリキュラムである。
■実地研修(※講義研修の概要、ポイント等)
 1泊2日(土曜日、日曜日の2日間、8時間)と日帰りコース(土曜日、6時間)の合計14時間で、より効果的な研修となるよう研修の初期段階である9月25日に第1回実地研修を行い、中期段階で第2回実地研修を行った。

3.成果(今後考えられる成果目標)

 今回の研修を通じて、農林水産の現場へのIT導入促進、さらにはIT活用による農商工連携の推進によって吸収地域での農林水産業の活力向上を図るとともに、福岡県内にある約600社のIT企業が今後積極的に九州地域の農林水産業の分野に参入することでIT業界の活性化にも寄与することも期待できる。
 本研修を通じて平成21年度受講生の中には数名共同で農商工連携に取り組む者や地域農業の活性化を図るため若者を集めて農業活性化に取り組む者などが出ており、既に構築した平成21年度受講生を対象とした情報交換の場(メーリングリスト)を活用して随時本年度の受講生との交流の場を創出するとともに、交流の場を通じて農商工連携に取組み易い環境ができる。

4.研修視察より

 本研修は全国中央会の共通テキストをベースとし、ケーススタディの(有)コッコファームを題材にしたオリジナルテキストを作成することで、知識経験のない研修参加者に農畜産業をよりリアリティのあるものにし、研修の効果を最大限にする工夫が感じられた。このようなオリジナルテキストに加え、ほぼ毎回(有)コッコファームの方や実績のあるコンサルティングファームによるアドバイスや意見交換がロールプレイングの中で得ることができており、通常のケーススタディでは感じられない提案に対する非常に現実的な反応が研修生にとって得難いものとなっている。
 また、毎回与えられる課題(ケーススタディ)を研修参加者一人一人が事前に検討して研修当日に各グループで議論し発表するというスタイルにより、ややもするとグループ内の特定の人間に偏りがちな参画意識を全員にうまく持たせる意図が効果的に活かされていた。
 今回の研修は「生産管理、商品開発から販路開拓に至るまで一貫して、ITを活用したトータルコーディネートを提供出来る人材等の育成」であり、IT業界からの参加者が主であったためこのような実際の農畜産業を肌で理解し実のあるIT提案に結び付けるには座学中心の研修ではなかなか効果的なものにならない。
 そういった意味でも、実際にITを実務的に導入し経営に効果を上げている平成22年度IT経営力大賞を受賞した先進事例企業である(有)コッコファームの全面的協力を得られたところに大きな意味があった。(有)コッコファームとしても九州地区の農商工連携の先達として、今回の研修から新たな気づきや少しでもヒントになることを吸収しようとする前向きな態度があり、研修全体になくてはならない存在となっており、研修の最後に各研修生から(有)コッコファームに対し感謝の言葉が相次いだ。
 成果発表では、単純な業務単位の提案ではなくSWOT分析など大局的な視点で農畜産業に対する改善/革新の提案が多くみられた。また、発表者全員から農商工連携にかける熱い想いが込められており、研修生の今後の活躍を期待したい。