研修事例

研修実施機関

実施機関団体名 川島町商工会(合同事業実施体 山川町商工会・美郷商工会)
住所 〒779-3301 徳島県吉野川市川島町川島字町西北267-1
電話番号 0883-25-4253 FAX番号 0883-25-4253
受講生人数 70名(中小企業者23名、農業者31名、関係支援機関13名、新規就業希望者2名、NPO法人1名)

要 約

●テーマ

農商工連携コーディネート人材育成&新事業展開支援研修
 「新事業の糸口」をつかみ、身近な連携から考えよう!

ポイント

 徳島県北西部に隣接する川島町、山川町、美郷町の商工会が合同で農商工連携人材育成事業を実施。吉野川市の地域特性を理解し、特産品を生み出すため、マーケットインの考え方を取り入れた農業ビジネスのあり方と、商品開発を進めるキーパーソンとなる人材を育成する。受講生による商品開発のためのNPO法人が設立され、地域の推進力として期待。

1.動機と目的

 吉野川市は、平成16年10月に麻植郡鴨島町、川島町、山川町、美郷町が合併し発足した徳島県で5番目の市である。吉野川市では、さといも、にんにく、スイートコーンなど県内有数の出荷量を誇る農産品を有していながらも、それを原材料として付加価値を高めた加工品の開発、観光・サービス業への展開や産業間連携が行われていない状況であった。そこで、地域内の農業者と商工業者が連携し、新商品開発等による事業拡大や創出など、農商工連携や6次産業化を通じて地域活性化を図ることとした。同市に隣接した川島町、山川町、美郷町の商工会が、平成21年度より3事業年度連続で採択を受け、合同で地域内で農商工連携の意欲がある者に呼びかけ研修事業を実施している(平成21及び22年度は全国商工会連合会の事業として実施)。本事業への意識や期待も年々高まっており、応募人数も年々高まり、平成21年度:35名、平成22年度:31名の修了者を出した。平成23年度は70名を超える受講生を受け入れており、講義研修の会場となっている川島町商工会会議室は、満杯となっている。3つの商工会事業として、本事業が浸透してきているとともに、受講生には地域事業者における農商工連携、あるいは新たな事業を展開していこうとする意欲がでてきている。
 今年度の研修(平成22年度経済危機対応・地域活性化枠)においては、徳島県における農業ビジネスの方向性、特産品の動向を認識したうえで、地域資源を活用したアイデア創出、マーケットインの考え方による製品・サービスの開発方法の習得を重点としたカリキュラムを編成し、吉野川市では数少ない地域資源の認識及び新規ビジネスに結びつくようなプランの作成、販売ができる人材の育成により、農商工連携による事業創出を図ろうとしている。

2.研修内容

 カリキュラムにおいては農商工連携に係わる関連施策や農商工等連携促進法に基づく事業認定、四国地域における地域資源活用プログラムなど、選定した講師が作成する独自のテキストにより、7月20日から11月16日の期間、毎週水曜日、19時から22時まで実施。その間に実施研修、ロールプレーイング研修を入れている。研修内容は農商工連携の基礎から新商品作りのプロセス、地域内連携、ターゲティング、販売実習など、専門的なことまで分かりやすく学べる講義となっている。
■講義研修
 徳島県における地域資源の活用及び農業ビジネス、地域内事業所の事業内容等の地域情報の認識と、実際の事業化時に必要な商品企画やブランディング、マーケティング手法の習得など、実際の事業シーンでの利用を前提とした、マーケットインに基づく商品開発や販売促進方法について、ロールプレーイングを積極的に取り入れた形式とする。
■実地研修
 実地研修においては、受講者の今後の事業展開に役立つ事例を中心に選定し、農商工連携による試作品の開発や、販売・広報に成功している事業所の視察、さらには、消費・商品動向等の認識を目的とし、東京インターナショナル・ギフトショーへの視察及び百貨店バイヤーとの意見交換会を実施する。

3.成果目標(今後考えられる成果)

 本研修では、地域の農商工連携を担うキーパーソンの育成(地域力アップ)と、吉野川市の地域特性及び事業所の情報の提供により、地域内他事業所との連携促進が図られることから、定性的な成果としては、今後の事業におけるノウハウの蓄積及び各種支援機関とのネットワークの構築により、商品力アップ・生産体制の確立・販売体制の強化等が見込める。受講生による商品開発のためのNPO法人が設立されたこともあり、地域の推進力として取組みの成果が期待されている。
 なお、定量的な成果としては、70名の受講生の中から修了者を30名程度育成すること、新規事業に取り組む人材を3名創出することを目標としている。

4.受講生に対するフォローアップ

 講習終了後、本研修を合同で実施した川島町、山川町、美郷町の各商工会において、今後の事業展開の可能性についてヒアリングを実施する。また、中小企業基盤整備機構・四国支部、徳島県商工会連合会等からの支援をうけ、具体的な連携事業の実施に向けた相談会や個別の事業計画書の作成を支援していくこととしている。終了後は、継続的な研修及び事業推進に向けこれまでの受講生を中心としたキーパーソン研究会を組織し、支援していく方針である。

5.研修視察より

 7月20日(水)の第1回講義、開講式は、四国に上陸した大型の台風の影響により1日延びて7月21日(木)に開催された。自己紹介や講義終了後の交流会が開催されたこともあり、まだまだお互いの業種や顔は一致しないものの、56名を超える受講生の出席のもと講義が行われた。農商工連携人材育成事業は、平成21年度より実施しており、開催当初、受講生が集まるものかどうか危惧していたが、当初の心配をよそに、多くの応募者があり、農商工連携に対する興味と意欲、そして、熱意に満ちあふれている。

 川島町商工会に訪問したのは、7月27日(水)は、第2回目の講義研修であり、とくしまアントレープレナー塾 里見和彦 氏(中小企業基盤整備機構 四国支部 地域活性化支援アシスタントマネージャー)による基礎編1:「農商工連携の意義 地域資源活用・農商工連携基本のキ!」、基礎編2:「取り組み事例に学ぶ、支援制度と活用事例」について座学による講義がなされていた。里見 氏の講義は、国の支援策として、地域の方々にはなじみが薄い中小企業支援策を、かみ砕いて、一語一語、受講生の理解や反応を確かめるようわかりやすく説明していて好印象であった。

 今年度の研修参加者は、中小企業者23名、農業者31名、関係支援機関13名、新規就業希望者2名、NPO法人1名など、地域に存する事業者の配分もよい。新たなビジネスチャンスを求めて、これから地域で連携事業を行っていこうとする受講生にとって、自らの地域を見つめ直し、視野を広げるきっかけになると思われる。
 今回、受講生と平成21及び22年度に修了した卒業生、講師や中小企業基盤整備機構、県商工会連合会など支援機関との地域に根ざした強いネットワークにより、人的交流から知識や知恵、ノウハウのネットワークへと深まって行くことが創造できる。ロールプレイを組み込んだワークショップを行っていくなかで、お互いの理解を深化させ、地域の農業と商工業を何か結びつけていこうとする意欲が感じられた。