研修事例

研修実施機関

実施機関団体名 株式会社北海道ソフトウェア技術開発機構
住所 〒003-0801 札幌市白石区菊水1条3丁目1-5
電話番号 011-816-9700 FAX番号 011-820-1166
受講生人数 30名(中小企業経営者、農業者、農・林・漁中小企業支援機関、6次産業化プランナー、行政、
中小企業診断士、ITコーディネータ)

要 約

●テーマ

北海道における農商工連携活動を担うエキスパート人材のスキルアップ研修

ポイント

 北海道経済の発展のためには、農林水産業及び食品製造業等の関連産業の活性化が喫緊の課題であり、地域活性化の有効な支援ツールである「農商工等連携」への期待は大きく、本施策を更に加速させるため、農商工連携を担う農業生産法人経営者等の育成に加え、IT分野にも精通し、商品の企画・開発から販路開拓まで総合的に支援可能なコーディネータの育成並びにスキルアップを図る。

1.動機と目的

 株式会社北海道ソフトウェア技術開発機構は、「地域ソフト法」(地域ソフトフェア供給能力開発事業推進臨時措置法)に基づく政府出資法人として設立され、「中小企業新事業活動促進法」の新産業支援機関として北海道におけるIT人材養成等の中心的役割を担うとともに、経済産業省北海道経済産業局からは「北海道地域イノベーションパートナーシップ事業(北海道RIPs事業)」を受託するなど、当該事業等を通じて北海道における農商工連携等の推進にも深く寄与している。
 農商工連携の推進に向けては、農業のビジネス化が重要な要素と考えられ、特に、農業生産の拡大や顧客目線で加工・販売を手がける「農業生産法人」が新たな担い手として期待される一方、道内の農商工等連携事業認定事業者は、30件程度に止まっており、その背景としては、企業経営に不可欠な経営戦略構築における対応の遅れなどが見られる。(特に、経営管理上有効なツールであるIT導入が進んでいない。)
 そこで、当研修実施機関では、道内での農商工連携事業を加速させるため、①農業生産法人経営者等を対象に、当該事業をトータルで俯瞰可能なハイレベルな人材を育成する、②農商工連携事業に関る支援人材として、IT分野にも精通し、商品の企画・開発から販路開拓までを一貫して的確にアドバイスを行えるコーディネータ役の人材の育成を目的として、本研修事業を実施する。

2.研修内容

 当研修実施機関の採択は2度目であり、前年度の経験を活かし、今年度においては研修内容の改善が図られている。具体的には、前年度、受講修了生に対して実施したアンケート調査の中で、「カリキュラムの早い時期に、ロールプレイング研修を入れて欲しかった。」、「受講者同士が交流できるカリキュラムが多いと、更に良かった。」との要望があったことから、ロールプレイング研修を早い機会に実施するとともに、この種の講義時間を多く設定するなど、工夫が凝らされている。特に、本研修では、マーケティング力の強化方策や販路開拓といったテーマを中心として、IT利活用の必要性・導入効果を含め、農業生産法人の経営戦略を具体的に検討していく内容となっている。
 なお、受講生は30名で、中小企業経営者・従業員、農業者、6次産業化プランナー及び中小企業診断士、ITコーディネータ、行政機関関係者等が中心である。受講生の中には、根室、釧路、函館等の遠方からの参加者も多いことから、開催日を土曜日として、7月上旬から10月末までの期間で行うこととしている。
【日程】7月2日を初回に10月22日まで講義研修及びロールプレイン研修合計10回実施(札幌市)。
     7月30日~31日及び9月3日に実地研修5先実施(札幌市近郊の市、町)。
【研修時間】講義研修42時間(うち、ロールプレイング研修6時間)、実地研修15時間。
【テキスト】全国中央会作成の共通テキストをベースに、講師と相談のうえ、テーマ毎に道内の事例を採り入れた独自のテキストも併せて使用する。
■講義研修
①経営効率化対策、②パッケージ・デサインの重要性、③マーケティング強化策、④販路開拓を中心に、IT利活用の必要性・導入効果とも絡め、農業生産法人の経営戦略策定に資する講義テーマとなっている。
<ロールプレイング研修>
 中小企業診断士、ITコーディネータ、経営コンサルタントを講師に、①経営管理手法、②販路開拓手法(販売手法、マーケティング手法、インターネット活用方法等)のトレーニングを行う。
■実地研修
 道内での農商工等連携事業の参考となる取組事例の中から対象先を選定し、①農商工等連携事業認定企業及び地域資源活用事業認定企業(2先)、②6次産業化の先駆的な取組のモデルとなる農業生産法人(2先)、③農業企業化のビジネス事例となる大規模植物工場(1先)の合計5先について実施する。

3.成果目標(今後考えられる成果)

 研修を受講することで、農商工連携に関する全体的な枠組み、農商工関連施策についての理解が深まるのは勿論のこと、IT利活用の必要性・導入効果を含め、農業生産法人の経営戦略を資金面からも具体的に検討していく内容となっており、会社等経営の更なるアップに繋がると期待される(受講修了生5~10名)。
 また、農商工連携事業に関わる道内各分野に精通している講師、そして、研修に参加している他の受講生との人的ネットワークが構築され、今後の活動の幅が広がることが期待できる。

4.受講生に対するフォローアップ

 行政機関及び支援機関等からの農商工連携ほか、必要と思われる情報をいち早く入手し、当社のホームページ等で提供を行っている。
 また、研修終了後は、年2回程度、行政機関及び支援機関等の農商工連携担当者を招き、意見交換を含めた勉強会を開催し、受講生のレベルアップに努めることとしている。

5.研修視察より

 調査当日は第4日目の研修であり、「商品化企画、生産・商品管理、販売戦略等」をテーマに前田直樹氏(前田直樹研究所代表:中小企業診断士)並びに春日一秀氏(有限会社ユー・サポート代表取締役:中小企業診断士)を講師に迎えたロールプレイング研修が行われた。参加した受講生26名は、1グループ4名~5名の計6グループに分かれ、与えられた3つの事例(①ホッケを生食(刺身)用に新鮮な状態での提供、②牛肉100%のソーセージの開発、③野菜入りヨーグルトドリンクの開発)の中から1つの事例を選択する。既に相談内容や連携する事業者は定められており、どのような切り口で検討していくのかがポイントとなった。
 受講生は、討議や意見交換に不慣れな状況でとまどいながらも自分の意見を出し合い、グループ内に必ず1名配置されていたITコーディネータを中心として、事業成功のための課題及びその解決策について議論を進めていった。最後にグループごとに発表が行われ、他グループの受講生が必ず発表内容に対して質疑を行う形式で進められた。同じ事例について討議を行いながらも、食材の加工の仕方や、商品販売時のターゲットの違い、商品価値の置き方など、限られた短い時間にもかかわらず、グループごとに企画提案力や観点が異なり興味深い研修であった。