研修事例

研修実施機関

実施機関団体名 株式会社エブリプラン
住所 (本社)〒690-0816 島根県松江市北陵町46-6 ソフトビジネスパーク
(広島支社)〒739-0014 東広島市西条昭和町12-7-301
電話番号 (本社)0852-55-2100
(広島支社)082-490-5581
FAX番号 (本社)0852-55-2101
(広島支社)082-490-5582
受講生人数 28名(中小企業者、農業者、支援機関、他)

要 約

●テーマ

産学官連携のメッカ!「東広島市」を舞台にした農商工連携キーパーソンを育成する!

ポイント

 広島県のほぼ中央に位置している東広島市は、「日本酒」、「ジャガイモ」、「シジミ」、「黒瀬牛」に加え、牡蠣の養殖も盛んであり、特産品の宝庫である。また、大学や研究機関が次々に立地され、目覚ましい成長を遂げており、産学官連携のメッカともいえる同市で、農商工連携を推進するキーパーソンの育成を目指す。

1.動機と目的

 当社は、「地域課題解決コンサルタント」として、環境対策、地域づくり及び産業振興の3分野に力を入れ事業展開を行っている。特に地域づくり分野では、「東広島市」を中心としたまちづくり推進指針の策定とともに、地域集落の組織設立支援等を行っており、地域活力の原点を体系づける取組みを支援しているともいえる。
 また、産業振興分野は主に地域資源のブランド化支援や農商工連携推進に力を注いでおり、平成21年・22年には、島根県中小企業団体中央会(研修実施機関)の委託を受け、農商工連携人材育成事業のカリキュラムの企画、講師・教材調整、セミナー運営等の支援を行った。
 今回、中国地域における産官学連携のメッカともいえる「東広島市」を舞台に農商工連携を推進させるため、当社が研修実施機関として直接、本事業に取り組むこととした。東広島市は、美しく豊かな自然、歴史と伝統のある文化、県央の拠点都市として着実に発展し、全国的にも成長都市として注目を集めている。農林漁業の一次産業従事者が多く、地元の農産物を商業ベースに乗せ、発展する余地が今なお充分にあり、期待できるところであるが、同市における認定事例は1件にとどまっている。同市の代表的な特産物には、「日本酒」「ジャガイモ」「シジミ」「黒瀬牛」などがあり、魅力ある農作物が多数存在する。
 そこで本研修ではその東広島市の特徴を生かし、着地型商品開発と商品提供を目的とした事業を開拓する人材の育成を目指すこととした。従来の座学と視察というカリキュラムから、一歩踏み込んだ体験型のカリキュラムを盛り込み、本研修終了後、受講生が活発に活動を開始できるユニークな取り組みである。
 中小企業者と農林水産業者がお互いを知り合い、持っている強みを生かし合う有機的な連携体制の構築方法を学び、市場を勝ち抜く商品開発のノウハウを習得し、また、支援機関側(行政・商工団体・農林水産団体)と、プレーヤー側(企業・農林水産業者)におけるそれぞれの農商工連携に取り組むキーパーソンの発掘・養成を行い、最終的には農商工連携等事業計画の認定を目指すこととした。

2.研修内容

 カリキュラムは、Step1:基本コース、Step2:商品開発【理論コース】、Step3:商品開発【実践コース】の3段構成となっている。受講生は、28名で構成され、9月22日(木)~12月18日(日)の約3カ月間(9月~11月は、農繁期のため平日(週1回木曜日)に開催、12月は、商品開発が中心となるため土・日で開催)計14回の講義が予定され、受講生は受講回数を重ねるごとに踏み込んだ内容の学修ができる仕組みとなっている。
 Step1の基本コースでは「講義」と「視察」によって農商工連携事業の現状を知る。Step2では商品開発の方法を学ぶ。特筆すべきは、Step3の「商品開発実践コース」である。これは、受講生が協力し合って実際に商品開発をして実験的に販売してみようという企画である。農商工連携人材育成事業において、ワークショップ形式で商品企画、アイディアを考えて発表するといったプログラムは、多くの研修実施機関で行われるようになっているが、実際の商品を開発して試行的にでも販売してみるといった実践に踏み込んだ内容の研修は極めて珍しく、当研修の目玉企画となっている。受講生には、食材や原材料を持っている農家や農業関連機関の職員が参加している。これらの地元素材を利用して実際に新しい商品やレシピ作りを行おうというものである。例えば、広島県の特産品であるレモンを粉末にした「レモンパウダー」を使った食品の開発などが期待されている。当研修が行われている東広島地域は「日本酒」「ジャガイモ」「黒瀬牛」などの良質な農産品が多く、新たな商品開発を進めるには条件は整っているという。また、販売実験、商品開発演習等の研修が行われる「道の駅 湖畔の里 福富」は、広い駐車場を擁しており、大型遊具、農産物直売所などが設けられており、土日祝日には大変多くの人が集まる。当施設内の体験学習室の調理場を利用して、レシピ開発を行い、休日の集客を見込んで販売実験を行う計画になっている。
【日  程】平成23年9月22日(木)~12月18日(日)
       講義研修及びロールプレイン研修 合計13回実施
       (東広島市「道の駅 湖畔の里福富」)
       10月25日(火)~26日(水)に実地研修先3箇所を訪問(福岡県、熊本県及び佐賀県)。
【研修時間】講義研修42時間(うち、ロールプレイング研修12時間)、実地研修18時間。

3.成果目標(今後考えられる成果)

 受講生同士の交流により、講師等専門指導者、研究機関とのネットワークも生まれ、農商工連携による新商品・新サービス開発を行うことのできる又は支援可能なキーパーソンが育成される。
 また、研修内において作成するビジネスプランの具体化を図り、開発した新商品が農商工等連携事業計画の認定を受けることが期待される。現在では、受講回数が増すにつれ、受講生同士の連帯感は強まり、本研修が終了した後もこの繋がりを断つことのないよう、次なるステップへの取組みを望む声が高まっている。これも既に表れている効果のひとつと思われる。

4.受講生に対するフォローアップ

 当カリキュラムでは、試作品とはいえ新商品開発と販売実験までを実践するという具体性のあるプログラムが組まれており、“試作品”という形のある見える成果がでてくる点が当研修の強みである。試作された新商品の販路開拓や広告宣伝をはじめ、商品改良にあたっての実践的なマーケティング支援、加えて新たな商品開発のための更なるコーディネート支援を受けられるような専門指導者によるアドバイス体制を整えていく方針である。
 また、受講終了後も研修中の協力機関である中央会、商工会議所並びに商工会等の産業支援機関に依頼し、農商工等連携事業計画の認定を目指した支援に努めることとしている。

5.研修視察より

 視察当日は、基本コースの第4回目の講義であった。「農産加工品による地域活性化」をテーマにした事例紹介であった。「NPO法人元気むらさくぎ」の橋本氏からは、酒造りを中心に農業体験、酒蔵体験を組み込んだ地域活性化の事例紹介、「NPO法人てっちりこ」の岡本氏からは地域の特産品である「姫とうがらし」のブランド化の講義が、併せて3時間行われた。参加した28名の受講生が、講演を興味深く聴講する姿が印象的であった。
 中国地方の中でも小さな町や村レベルでの取組みであり、受講生も近隣地域における取組みを聞くことで、身近に感じられるとともに、地域資源活用ビジネスに対する関心・意欲というものがより一層高まったと言える。
 また、地域の特産品のブランド化、高付加価値化、さらに新たな商品を開発するための発想方法の学修に対する高い意識が感じられた。これは、カリキュラムの最終ステップで商品開発演習という実践が組み込まれていることと無関係ではないように思われる。
 受講生は当日の研修でStep1が終了したばかりであり、今後、具体的な商品開発・販売戦略、事業計画の策定方法と売上・資金計画は学ぶこととなるが、最終的には地域資源を生かした独創性ある新商品が開発され、本研修の目標でもある農商工等連携事業計画の認定につながるような展開を期待したい。


           研修風景                 姫とうがらし(辛美人シリーズ)      姫とうがらし(辛美人シリーズ)