研修事例

研修実施機関

実施機関団体名 長崎県中小企業団体中央会
住所 〒850-0031 長崎県長崎市桜町4番1号 長崎商工会館9階
電話番号 095-826-3201 FAX番号 095-821-8056
実施機関職員数 18名 受講生人数 30名

ポイント

長崎県は地域産品や地域資源が豊富であるにも関わらず、半島や離島が多いという地理的特性により業者間の連携が容易には進んでいない。農商工連携を進めていくために、地域産品、農産物のマーケティングをよく理解する連携プロデューサーを発掘し育成をすることが必要である。

要 約

1.動機と目的

 長崎県は、恵まれた農産物、水産物などの地域産品、歴史・文化的に貴重な資源が多数存在するが、その資源をまだまだ有効に活かしきれていない状況にある。離島、半島などが多いという地理的特性は、当県の地域資源を豊かにする一方で、農商工業者間の連携、農水産物の流通、販売ではデメリットも生み出している。農商工連携を進めるに当たって、中小企業者・農水産業者をつなぐマッチングでの支援機能が弱いことから、アイデアを事業化する段階にまで引き上げていくことが難しい。そこで連携をプロデュースする人材の発掘・育成が必要不可欠と考えて、人材育成事業に取り組むこととした。
<事業推進のための協力体制>
 長崎県中小企業団体中央会が研修実施機関として中心となり、講師派遣、ワークショップ運営面で、ジャイロ総合コンサルティング、有限会社良品工房、有限会社シュシュ、株式会社雲仙きのこ本舗が支援する体制作りを行った。JA長崎中央会、長崎県森林組合連合会、社団法人水産加工振興協会などの産業団体とも連携をとっており、講師派遣や情報提供の面で支援体制を築いている。他にも長崎大学、長崎県庁とも情報提供を受けることとしている。

2.座学研修内容

 8月17日から10月7日までの約50日間、24回にわたり36時間の座学研修を行った。農商工連携成功のポイントや財務管理の基礎知識など、経営の基本的な知識(4.5時間)を学び、農林水産物流通あるいは施策の現状を理解する講義が容易されている(各分野4.5時間、合計12時間)。そのほか農商工連携のためのマーケティング、ブランド戦略に3時間があてられており、本県の農商工連携の大きな課題でもある「マーケティング」「販売チャネル開発」に重点をおいたカリキュラムとなっている。ここが本研修の特徴の一つである。さらにもう一つの特徴は、農商工連携による新製品開発の講義(4.5時間)、新チャネルの開発(1.5時間)が合計6時間用意されている点である。新たな製品、チャネルの開発方法のための講義が用意され、販売促進、ネット通販などに関する講義も7.5時間とられており、マーケティングにかなり重心をかけたカリキュラム構成は、メリハリが効いており効果が受講生相互のマッチングにも期待できるものとなっている。

3.実地研修内容

 実地研修は、座学終了後10月14日から1月21日までのおよそ3カ月で実施される。座学36時間に対して、実地研修は回数にして合計10回、時間にすると30時間、座学と同程度の時間があてられていることからもわかるように、座学研修生にできるだけ現場を体験させることが意図されている。実地研修は、6次産業化に成功した事例や産地レストラン、都市部における付加価値のついた農産物の販売実態などを積極的に視察し、農商工連携をプロデュースするためのヒントを得られる内容となっている。
 実地研修には、地域特産品を知る目的で㈱雲仙きのこ本舗、五島市漁業や佐世保における元気野菜づくりの実践を行い、農産物の付加価値化の事例として大間のまぐろ(㈱ディメール)、伊賀の里もくもく手づくりファーム(三重県伊賀市)の視察が組み込まれている。また、マーケティング戦略・販売チャネルの開拓の事例として地産地消型のレストラン(山形県アル・ケッツァーノ)、都市部での高級食材販売の実態(東京都:紀伊国屋インターナショナル、伊勢丹新宿店)を視察する内容となっており、本研修の目的に照らし合わせて的確な実地研修内容となっている。
 視察ではなく、実際に体験しながら学ぶワークショップが3回、㈱雲仙きのこ本舗、五島市漁場、大村市の有限会社シュシュで企画されている。地域特産品の理解を進める工夫が組み込まれている。

4.成果(今後考えられる成果)

 受講生同士のネットワークはもとより、視察先とのネットワークが構築され、新たな販路の拡大、研究開発機会が発生すると考えられる。地域産品にたいする理解を深めた研修生が、成功事例や流通の現場などの様々な現場の視察を行うことによって、新しいアイデアを発想したり、流通やマーケティングの課題を学ぶことで新たな販路を開拓するキッカケを与えることができる。さらに、連携をプロデュース、コーディネイトできる人材を育成することで、長崎県の農林水産物を活用した新しい取り組みを創出することができると考えられる。本研修では、農商工連携のコーディネイト力を習得した人材を30名の受講生の中から、研修後には連携して取り組める人材を10名育成することを目標としている。さらに、そのような人材の活躍によって、国の農商工連携の認定取得や長崎県の農商工ファンド助成事業に取り組みを行うプロジェクトを5件創出したいと考えている。