研修事例

研修実施機関

実施機関団体名 特定非営利活動法人G-net
住所 〒500-8844 岐阜県岐阜市吉野町6-2 ブラザービル2階
電話番号 058-263-2162 FAX番号 058-263-2164
実施機関職員数 5名 受講生人数 46名

要 約

1.動機と目的

 「地域を変えるには、思いを言葉にし、言葉を行動に変えていく起業家的な人材を増やすことが必要」と考えのもと、起業家的な若者の育成と地域産業やベンチャーの連携創出をテーマに2001年10月、任意組織の学生団体G-netを立ち上げた。その後、2003年に特定非営利活動法人G-netを設立した。
 当団体では、「挑戦の伴走者に、熱意と意欲のつなぎ役に」をスローガンとして、ものづくり中小企業等を対象とした長期実践型「ホンキ系インターンシップ」事業を金融機関や大学などと連携し中核事業として展開し、社会体験型ではなく3カ月以上の長期間に渡ったフルタイム勤務のインターンシップによって、起業家的人材育成を行っている。また、女性・シニア・若者の社会起業やコミュニティビジネスを対象にした創業・経営支援事業を展開し、「創業塾」「経営革新塾」など、セミナー開催やインキュベーション施設「かけたす」の運営、さらには中小企業コンサルティングなどを行っている。中でも、意欲ある若者と中小事業者の連携を支援し、事業加速を促す取組み「若者を活用した中小企業支援プログラム」を実施している。
 これらの事業を通じて、中小事業者の事業サポートについての知見を有するだけでなく、加えて、多様な業種・分野との連携を取り組むコーディネート機関として、行政/産業/農林水産業/教育機関/非営利組織等、これまでの協働実績に基づく幅広いネットワークを有している。
 この幅広いネットワークを生かし、今年度、農商工連携等人材育成事業において、地域に豊富に存在するさまざまな資源を多様につむぎ、そしてコーディネートする農商工連携プロデューサー人材の育成を行うことで、地域を活性化していこうとしている。

2.座学研修内容

 本年10月~11月にかけて、土日に6回研修を組み、1日6時間(計36時間を予定)集中的に講義研修を行っている。
 カリキュラムは、共通テキストをベースに、岐阜県の地域資源や近隣の農林漁業に応じた追加資料を作成することとしている。また、座学研修では「講師が講演し、受講生が聴講する」一方通行になりがちな、いわゆる「講義」形式を極力少なくし、少人数によるテーブルディスカッションを中心に、それぞれの“気づき”を引き出し、バックグランドが異なる受講生間の交流が生まれるよう配慮している。中でも、マーケティングとブランド戦略に重点を置き、理論だけでなく、参加者が具体的な第一歩を踏み出せる内容とした。
 また、講師は、産業支援、農商工連携コンサルタント、地元の先進的企業家、岐阜大学産学官融合センター等、実社会での諸問題・対処法にも精通した講師を選定し、より実践的な支援が実現できる講義内容としている。研修終了後、受講生からは「成功談ではなく失敗した話しも聞きたい」「資金繰りの重要性、投資と融資の違い。経営理念がぶれずにあることが成長につながる。経営者としてのあり方。相手が求めていることをくみ取り、相手に合わせた対応をすること。」「規模は小さいですが、すぐに実践に生かせそうなくらい重要で、有意義なお話でした。」等との意見が寄せられている。
 さらに、フォローアップとして、研修期間中、希望者には個別相談機会を設定し、丁寧なサポートを行っている。

3.実地研修内容

 実地研修では、実際に農起業を行っている若手農業者に協力を依頼し、農業実習や最近の農業経営、販路の実情について視察見学とワークショップを行うこととし、計2回12時間を予定している。
 1回目の実地研修先「ツットモ農園」(岐阜市)では、トマトやインゲンの収穫作業を体験するとともに、栽培方法や経営・管理等、小規模農家の販売戦略を学んだ。受講者からは、「トマトの入れ方一つで売れ行きに影響が出るそうで、消費者の視点に敏感でなければならないと感じた。」、「表面が割れてしまったプチトマトの“欠点”を、【表面が割れている=糖分が高い=美味しい】と“利点”に着目し、“割れている”ではなく“はじけた”と捉えることで新たな販路が見えてくるという話をきいて、発想の転換が新たな商品につながることを肌で感じた。」等の声が寄せられた。
 また、2回目の実地研修先、採卵用養鶏場を営む「(有)棚橋ファーム」(岐阜市)では、養鶏場の現況とブランド卵「醍醐卵」等について学び、顔が見える関係で商品を販売するための販路、EM(有用微生物群)菌を使ったこだわりの方法で生産される「醍醐卵」のブランディング、岐阜市街地から近くにあるための地域住民との共存のための鶏舎の徹底した衛生管理等について研修を行った。

4.成果(今後考えられる成果)

 本事業では、従来の経営指導では不足していた農林漁業への知識の充実を図り、農業従事者、商工業者、産業支援機関従事者の中から、地域において農商工連携を牽引できるリーダーを各々育成したい。
 また、多様な受講者による少人数のテーブルディスカッションを繰り返すことにより、受講生同士のネットワークが広がり、農商工連携のみならずさまざまな異業種・異分野間での連携への「気づき」が生まれ、結果として、地域における新たな販路、雇用の創出が期待できる。
 さらに、本事業終了後、受講者の50%が、農商工連携関連の取り組みをスタートし、30%が地域連携拠点等で継続的に連携推進を行うよう育成することとしている。