研修事例

研修実施機関

実施機関団体名 特定非営利活動法人100万人のふるさと回帰・循環運動推進・支援センター
住所 〒104-0061 東京都中央区銀座4-14-11 七十七ビル3階
電話番号 03-3543-0333 FAX番号 03-3547-3883
実施機関職員数 10名 受講生人数 20名

要 約

1.動機と目的

 当センターは、Iターン・Jターン・Uターンなど、地方の暮らし・生活を希望する都市生活者や定年退職者の人々(100万人規模を想定)のために、住環境等の受け入れ体制や農作物技術指導を行う基盤を整備し、地域活性化と新たな価値観を創造するために取り組んでいる。
 本事業では特に「地域での起業」という形でふるさと回帰を実現しようとする若者や定年退職者あるいは中小企業内で社内ベンチャーを立ち上げたり、新規事業立案等に携わる立場にある担当者等に対し、地域の活性化を目指している研修を実体験してもらうことにより、農商工連携をコーディネートする人材育成を図り、受講生の起業のきっかけとなりうる人脈、ネットワーク作りに寄与することを目的として取り組んでいる。
 また、今回の研修、受講生の募集、周知については農商工連携をはじめとする地域活性化に対し強い意欲を持ち、幅広く取り組んでいる大分県竹田市に協力してもらい、当事業の柱と考えている実地研修先として受け入れを依頼している。

2.座学研修内容

 講義研修のカリキュラムは、共通テキストのほか、竹田市の地域特性を踏まえた独自のテキストを用意している。受講生には、農業・商業・工業それぞれの産業としての特性とそれらを結びつけた新しい産業(第6次産業)に関して知識の習得を図って深く理解してもらいたいと考えている。また、研修後半では、実際に実地研修先である竹田市の地域再生への取組み等についての研修を取り入れている。
 研修は9/24から11/6まで全て18時30~20時までの1.5時間を基本に夜間に設定し、集中して講義を行っている。

座学研修日程(一部抜粋)
9月24日(木)(18:30~20:00) 農商工連携の意義と研修の狙い(必修)
9月28日(月)(18:30~20:00) 日本農業のグランドデザイン
9月29日(火)(18:30~20:00) 食と農をめぐる環境変化と地域活性化
10月1日(木)(18:30~20:00) 第6次産業としての農業
10月5日(月)(18:30~20:00) 地域複合アグリビジネスとは?

3.実地研修内容

 実地研修は大分県竹田市の竹田研究所を現地受入れ機関として、生産、加工、販売と川上から川下までトータルな農商工連携の研修を5班に分けて行うこととした。


  A班 カボスジャム作り(竹田ジャム暦)-カボスの収穫から加工まで
  B班 味噌玉作り(志度知農産加工所)-大豆収穫、味噌つくり、味噌玉つくり
  C班 トマトジュース作り(加工組合もぎたて)-トマト収穫、ジュース加工、ボトリング
  D班 道の駅体験(わかば農業公社)―野菜の収穫、袋詰め
  E班 ドレッシング作り(喜多屋)-紅しぐれ大根の収穫からドレッシング加工、ボトリング

 研修で特徴的であったB班「味噌玉作り」は「志土知農産加工所」で、水につけておいた原料の大豆を加工所の周辺の畑で栽培しており、この大豆を塩と糀に茹で、熱いうちに味噌すり機にかけてよく混ぜて潰す作業を行った。その後、潰した物を俵型にし、味噌麹菌と、きな粉を混ぜたものをまぶす。冷やさないように工夫して置くと味噌玉になる。この味噌玉は手作りのインスタント味噌汁であり、ひと玉をお湯に溶かせば即材に味噌汁として活用できる。大豆も麦麹もすべて手作り、安心安全の無添加味噌であり、道の駅などで地域の特産品として販売している。当日体験した受講生からは「豆からこだわり、生産、加工して商品にする。全てを最初から最後までやりきって大変満足した1日であった。」等の感想があった。

 また、D班「道の駅体験」では朝取り高原野菜の収穫体験から始め、まず、畑を前にして道の駅わかば農業公社紹介の農家の方より、農作物の田植えから出荷までの一連の流れについて話を伺った。特に「モノ(農産物)はできても売ることが難しい。」という話を聞き、販路開拓に大変努力しているのが伝わってくる講義内容であった。講義後は、前日の降雨により火山灰質の土は少々ぬかるんでいる中、ナイフを片手にキャベツを切って出荷用の段ボール箱に詰める作業を体験した。
 最後に行われたワークショップでは、実地研修全体を通して、高齢化、担い手不足等、地方の抱える諸々の問題点を肌で実感したことから、受講生同士で地域活性化のための方策を検討するディスカッションを行った。

4.成果(今後考えられる成果)

 受講生は、当センターの講義研修を通して、農業・商業・工業それぞれの産業としての特性とそれらを結びつけた新しい産業に関する深い理解を得ることができ、農商工連携人材として、新規事業の立ち上げ、また、社内ベンチャーとして起業を計画するために必要なスキル及びネットワークを習得した。今回の研修事業では約50名の受講生を受け入れたが、実地研修を通して、竹田市の地域産業を構成する様々な人々とのネットワークが形成され、地域活性化事業に実践可能な企画等を提案できるレベルの人材が約20名育成される計画である。