森会長 令和5年 年頭所感

 明けましておめでとうございます。令和5年の年頭に当たり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 昨年は、コロナの感染収束が見えない中、ロシアのウクライナ侵略等によるエネルギー価格や食料品等の高騰、急激な円安、豪雨・台風等の自然災害による断水・停電等の被害、デジタル分野をはじめ深刻化する人材不足、事業承継問題等により、中小・小規模事業者を取り巻く経営環境は、危機的な状況が続きました。特に、原材料価格の上昇を取引価格に十分に転嫁できないため、事業収益面で重大な悪影響を被っています。

 一方、ウィズコロナに向けた社会経済活動の正常化が着実に進みつつありますが、今冬は新型コロナ感染症とインフルエンザの同時流行が懸念されています。令和4年度補正予算で措置された「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」の早期かつ着実な実行に大きな期待を寄せているところであり、本会では施策の広報と迅速な執行に努めて参ります。

 この難局を乗り越えるためには、個社ごとの対応はもちろん、中小・小規模事業者のインフラ、プラットフォームとしての役割を担っている中小企業組合や企業間の連携ネットワークを活かした戦略的な取組みが重要になります。

 昨年11月10日に長崎県の出島メッセ長崎にて開催した第74回中小企業団体全国大会では、全国各地から中小企業団体の関係者約2,000名が参集し、関係省庁・関係機関をはじめ多数のご来賓をお迎えし、中小・小規模事業者等に対する、①経営強靱化・成長促進支援等の拡充、②実態を踏まえた労働・雇用・社会保険料対策の推進、③積極的な事業活動を支える環境整備の実現に向けて、組合関係者の皆様と共に取り組んでいくことを決議しました。

 新型コロナウイルス感染拡大防止と経済活動の両立、デジタル化の実装とグリーン化への積極的な取組み、ものづくり補助金を活用した生産性向上と事業再構築への対応、災害対策、事業承継、事業再生、スタートアップ、円安を活用した海外展開などの最重要課題については、会員の皆様との連携を一層強化し、取り組んでいきます。

 経営者が本質的な経営課題に自ら気付き、自己変革力を促進していくため、経営力再構築のための伴走支援が行われています。48の中央会が一丸となってこの伴走型支援を展開し、組合の組織力の強化と組合員の経営改善に向けて尽力して参ります。

 結びに、本年が中小企業組合と中小・小規模事業者の皆様にとりまして、安心して事業活動を行う環境が整い、卯の年らしく新たな時代に跳ね上がる1年となりますことを心よりご祈念申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

令和5年元旦